松の木の伐採方法と適した時期・費用相場とは?松の木伐採で失敗しないポイントも解説!

「庭の松の木を伐採すべきか悩んでいる」「松の木の伐採費用はどれくらいかかるのか」などと悩んでいませんか?

松の木の伐採は、枯れや松くい虫被害がある場合、または管理が難しくなった場合に検討すべきです。費用相場は木の高さによって異なり、一般的に2万円~4万円程度ですが、抜根を含めると3万円~12万円になります。

この記事でわかること

・松の木を伐採すべきケースと適切な時期
松の木の伐採は枯れや松くい虫被害がある場合、または管理が難しくなった場合に検討すべきです。伐採は12月から3月の冬季が最適で、樹液の流れが緩やかになり害虫の活動も低下しています。

・松の木伐採の費用相場と作業内容
伐採費用は木の高さによって2万円~4万円程度、抜根費用は3万円~12万円程度が相場です。伐採作業は道具の準備から処分まで、5つの段階で進めます。

・松の木伐採で失敗しないためのポイント
複数の業者から見積もりを取得し、自治体の補助金制度を確認することが重要です。伐採と抜根はセットで行い、剪定や消毒での解決可能性も事前に検討しましょう。

今回は松の木の伐採について、適切な時期や方法、費用相場、失敗しないためのポイントについて解説。庭の松の木の伐採を検討している方や管理に困っている方は、参考にしてください。

松の木を伐採すべきケース

松の木の伐採は以下の状況で検討すべき選択肢となります。健全な松の木は日本庭園の象徴的存在ですが、安全性や管理面で問題が生じた場合は伐採を考慮する必要があります。

  • 枯れて倒木のリスクがある
  • 何らかの理由で管理が難しくなった
  • 松くい虫の被害に遭っている
  • 近隣からのクレーム

詳しく解説します。

枯れて倒木のリスクがある

枯れた松の木は早急に伐採すべき危険な状態です。枯れ木は内部が腐食して強度が低下し、突然の倒木や枝折れによる人身事故や建物損壊のリスクが高まります。

松の木が枯れる主な原因は水不足、土壌環境の悪化、病害虫被害の3つが挙げられます。枯れの兆候としては、針葉の変色(緑色から茶色へ)や樹皮の剥がれ、枝先から枯れていく現象などが見られるでしょう。

特に台風や強風時には枯れ木の倒木リスクが急上昇するため、枯れ症状が見られたら速やかに専門家に相談し、伐採の準備を進めることが重要です。

何らかの理由で管理が難しくなった

松の木の管理が困難になった場合は伐採を検討する適切なタイミングです。高齢化による剪定作業の負担増加や、転居予定があり今後の管理が見込めない状況では、伐採が現実的な選択肢となります。

松の木は年間2回程度の剪定と、松葉むしりなどの定期的な手入れが必要です。例えば、樹高5mを超える松の木の剪定には高所作業が必要となり、年間の管理費用が2万円から5万円程度かかる場合があります。

また、管理不足の松の木は見た目が悪くなるだけでなく、病害虫の温床になりやすいです。

周辺の植物へ被害が広がる可能性があるため、管理継続が難しい場合は伐採を前向きに検討しましょう。

松くい虫の被害に遭っている

松くい虫被害を受けた松の木は速やかに伐採して適切に処分することが必要です。松くい虫(マツノザイセンチュウ)に感染した松は、針葉が赤褐色に変色し、最終的に枯死に至る深刻な被害を受けます。

被害木を放置すると、マツノマダラカミキリという媒介虫によって周辺の健全な松へ被害が拡大します。例えば、1本の被害木から半径100m以内の松に1年で感染が広がり、地域全体の松林に壊滅的な打撃を与えるのです。

多くの自治体では松くい虫被害木の伐採に補助金制度を設けており、伐採費用が最大75%が補助される場合があります。被害が確認されたら、早急に自治体の農林課や環境課に相談しましょう。

近隣からのクレーム

近隣住民からの苦情が続く松の木は、良好な隣人関係維持のために伐採を検討する価値があります。松の木は成長すると高さ10m以上、枝張り5m以上になることがあり、隣家の日照や視界を妨げる原因となるのです。

具体的な苦情としては、落葉や松ぼっくりによる排水溝の詰まり、日陰による野菜栽培への影響などが挙げられます。例えば、南側に植えられた大きな松の木は、隣家の太陽光パネルの発電効率を最大20%低下させる可能性があるでしょう。

近隣トラブルに発展する前に、伐採以外の選択肢として剪定による対応も検討できます。ただし、根本的な解決には至らないケースが多いため、長期的な視点で伐採を考慮することが望ましいです。

松の木の伐採に適した時期は冬

松の木の伐採は12月から3月の冬季が最適です。樹液の流れが緩やかになり、切り口からの樹液漏れが少なく、切断面が乾燥しやすいという利点があります。

また、冬季の伐採は害虫の活動が低下している時期でもあるため、マツノマダラカミキリなどの松くい虫の媒介虫が飛来するリスクが大幅に減少します。例えば、マツノマダラカミキリは4月から9月に活動するため、同時期の伐採は周辺の松への被害拡大につながるでしょう。

さらに夏場の伐採は樹液が多く、切り口から松ヤニが大量に流れ出すため作業が困難になり、道具の目詰まりや作業効率の低下を招きます。

松の木の伐採方法と流れ

松の木の伐採作業は安全性と効率性を重視した手順で進める必要があります。伐採作業は以下の5つの段階を経て完了します。

  1. 伐採の道具を装備する
  2. 伐採の事前準備
  3. 松の木を正しく切る
  4. 抜根をする
  5. 伐採した松の木を処分

詳しく解説します。

伐採の道具を装備する

松の木の伐採には適切な道具と安全装備が不可欠です。基本的な道具としてチェーンソー・のこぎり・斧・ロープ・ハンマー・くさびなどを用意し、安全装備としてヘルメット・ゴーグル・耳栓・手袋・安全靴を着用します。

松の木は特に樹脂が多いため、チェーンソーの刃が詰まりやすく、松ヤニ用の溶剤や予備の刃を用意しておくと作業がスムーズに進みます。例えば、直径20cmの松の木を切る場合、40cm以上の刃を持つチェーンソーが必要で、小型の松であれば手のこぎりでも対応可能です。

道具の選定は木の大きさに合わせて行い、自分で伐採する場合は最低でも5,000円〜30,000円程度の初期投資が必要になります。レンタル店では一日あたり3,000円〜10,000円程度でチェーンソーなどの機材をレンタルできるため、一度きりの作業ならレンタルが経済的です。

伐採の事前準備

松の木の伐採前には周囲の安全確保と作業計画の立案が重要です。伐採する木の高さの2倍以上の範囲に人や車、貴重品がないことを確認し、必要に応じて立入禁止の表示やロープで区画します。

伐採方向は風向きや木の傾き、周囲の障害物を考慮して決定します。例えば、北向きに5度傾いている松の木は、自然な傾きに沿って北方向に倒すのが安全で、風が強い日は風下方向への伐採を避けるべきです。

自治体によっては伐採許可が必要な場合があるため、事前に確認することが大切です。

特に保存樹木に指定されている場合や、公道に面している場合は、役所への届出や近隣住民への事前通知が必要になることがありますよ。

松の木を正しく切る

松の木を安全に伐採するには、受け口と追い口の正しい切り方が鍵です。まず木の倒す方向に向かって幹の直径の1/4〜1/3程度の深さまで、上から45度と下から水平に切り込みを入れて受け口を作ります。

次に受け口の反対側から、受け口の底部より少し高い位置(2〜5cm)に水平に切り込みを入れて追い口を作ります。例えば、直径30cmの松の木なら受け口の深さは約10cm、追い口は受け口の底から3cm高い位置に入れるのが適切です。

受け口と追い口の間には「つる」と呼ばれる部分を残し、つるが蝶番の役割を果たして木の倒れる方向をコントロールします。つるが細すぎると木が予期せぬ方向に倒れる危険があり、太すぎると完全に倒れないため、適切な幅を残すことが重要です。

抜根をする

松の木の抜根作業は伐採後の重要な工程で、根を残すと再生や害虫の温床になる可能性があります。抜根方法は根の大きさによって異なり、小さな根は手作業で、大きな根は重機を使用しましょう。

手作業での抜根は、まず根の周りを直径1m程度掘り下げ、露出した側根をのこぎりやチェーンソーで切断していきます。大きな松の木の抜根には重機(バックホーやユンボ)が必要で、費用は直径30cm未満で5,000円〜15,000円、30cm以上で15,000円〜30,000円程度が相場です。

抜根後は土壌改良材や新しい土を入れて整地し、必要に応じて芝生や植栽を行いますよ。

伐採した松の木を処分

伐採した松の木の処分方法は自治体のルールに従って適切に行います。一般的な処分方法としては、自治体の粗大ごみ収集や産業廃棄物としての処理、リサイクル(チップ化や薪としての活用)の3つがあります。

松の木は松くい虫の被害木である場合、特別な処理が必要です。例えば、松くい虫被害木は焼却処分が基本で、チップ化する場合は56度以上で30分以上の熱処理が必要とされています。

処分費用は地域や量によって異なりますが、一般的に軽トラック1台分(約350kg)で5,000円〜15,000円、2tトラック1台分で15,000円〜30,000円程度が相場です。業者に依頼する場合は伐採費用とは別に処分費用がかかることが多いため、見積もり時に確認しておくことが重要です。

自分で伐採が難しい松の木は業者に依頼

高さ3m以上または直径20cm以上の松の木は、安全面から専門業者への依頼が強く推奨されます。素人による大きな松の木の伐採は倒木方向の制御が難しく、家屋や電線への損傷、人身事故などの重大な危険を伴うのです。

例えば高さ5mの松の木が予期せぬ方向に倒れた場合、周囲10m以内の建物や車両に甚大な被害を与える可能性があり、最悪の場合は人命に関わる事故につながります。特に松の木は樹脂が多く含まれているため、チェーンソーの目詰まりが起きやすく、作業中の事故リスクが高まります。

業者選びでは、実績や保険加入状況、見積もりの明瞭さを重視しましょう。

松の木の伐採・伐根費用相場

松の木の伐採から処分までの総額費用は、木の高さや作業環境によって1.9万円〜17万円が一般的な相場です。ここでは、松の木の伐採・伐根費用相場を解説します。

伐採費用:2万円~4万円

松の木の伐採費用は主に木の高さによって変動します。以下の表は松の木の伐採費用の一般的な相場をまとめたものです。

松の木の高さ伐採費用相場
1m~3m未満5,000円~10,000円
3m~5m未満15,000円~20,000円
5m~7m未満25,000円~35,000円
7m以上40,000円~(要見積り)

松の木は他の樹種と比較して樹脂が多く含まれているため、伐採作業が難しく、一般的な樹木より費用が高くなる傾向があります。幹回りによる費用相場は以下の通りです。

幹回り伐採費用相場
30cm未満6,200円~
30cm~60cm未満11,000円~
60cm~90cm未満18,500円~
90cm~120cm未満37,500円~

伐採費用には基本的に作業員の人件費と機材費が含まれていますが、以下の条件では追加費用が発生することがあります。

  1. 特殊な環境(狭小地、建物近接など)での作業
  2. クレーンなどの重機が必要な場合
  3. 松くい虫被害木の特殊処理が必要な場合

伐採費用を抑えるには、冬季(12月~3月)に依頼する、複数の業者から見積もりを取るなどの方法があります。

抜根費用:3万円~12万円

松の木の抜根費用は主に幹の太さや根の大きさによって変動します。まず、幹回り(幹周り)による抜根費用相場をまとめると以下の通りです。

幹回り抜根費用相場
30cm以下5,000円~10,000円
31cm~50cm15,000円~25,000円
51cm~80cm25,000円~35,000円
81cm以上35,000円~50,000円

幹の直径による抜根費用相場は以下の通りです。

幹の直径抜根費用相場
15cm未満3,000円~6,500円
16cm~30cm5,000円~10,000円
30cm未満約30,000円
40cm~50cm約60,000円
50cm以上80,000円~120,000円

抜根に関連する追加費用は以下の通りです。

作業内容費用相場
根の処分費用約20,000円
ショベルカー・ユンボ使用料20,000円~50,000円/日
クレーン使用料100,000円~200,000円/日
整地費用約600円/㎡~

松の木の抜根費用が高額になる主な理由は、松の木が深く広く根を張る性質があるためです。特に樹齢が高い松の木は根が複雑に広がっており、抜根作業が難しくなります。

松くい虫被害木の場合は、自治体の補助金制度が利用できることがあるため、事前に確認すると良いですよ。

相場は松の木の高さ・根の大きさにより変動

松の木の伐採・抜根費用は、木の高さと根の大きさによって大きく変動します。同じ高さの木でも、幹の太さや根の広がり方によって費用が2倍以上異なることがあります。

特に松の木は樹齢が上がるにつれて根が深く広がるため、樹齢30年以上の松では抜根費用が高額になりやすい傾向です。作業環境による費用変動も大きく、狭小地や建物に近接した場所では作業の難易度が上がるため、通常より2万円〜5万円高くなります。

また、地域によっても相場は異なります。都市部では地方より高い傾向があるため、複数の業者から見積もりを取ることが重要です。

松の木伐採で失敗しないためのポイント

松の木の伐採を成功させるには、事前準備と適切な業者選びが重要です。伐採は一度行うと元に戻せない作業であり、安全面や費用面で失敗すると大きなリスクを伴います。

失敗を防ぐには、以下で紹介する5つのポイントを押さえることが大切です。

  • 伐採と抜根はセットで行う
  • 複数の業者の見積りを比較する
  • 自治体の補助金制度はチェックする
  • 縁起を担ぐならお祓いをする
  • 伐採以外の剪定・消毒で解決する問題か確かめる

詳しく解説します。

伐採と抜根はセットで行う

松の木の伐採と抜根はセットで行うことで、長期的に見て費用対効果が高まります。伐採だけを行い切り株を残すと、害虫の温床になったり、根が残っていることで再生してくる可能性があります。

抜根を後日行う場合、業者の再手配や重機の再搬入が必要となり、結果的に総費用が増加するため注意が必要です。ただし、庭園の景観として切り株を活かしたい場合や抜根によって周囲の植物に悪影響がある場合は、伐採のみを行って切り株処理剤を使用するという選択肢もあります。

複数の業者の見積りを比較する

松の木の伐採費用は業者によって大きく異なるため、最低3社から見積もりを取得して比較することが重要です。同じ作業内容でも業者間で価格差が30%以上生じることは珍しくありません。

見積もり比較の際は単に価格だけでなく、作業内容の詳細・保険加入状況・実績・アフターフォローなども考慮します。例えば、「伐採一式」という曖昧な表現ではなく、「高さ5mの松の木の伐採・抜根・処分」といった具体的な内容が明記されているかを確認しましょう。

優良業者の見積書には「基本料金」「抜根費用」「処分費用」「諸経費」などの項目が明確に区分されており、追加費用の発生条件も明記されています。

価格だけで判断せず、総合的な視点で業者を選ぶことが失敗を防ぐ鍵ですね。

自治体の補助金制度はチェックする

松の木の伐採費用を抑えるために、自治体の補助金制度を活用できる可能性があります。特に松くい虫被害木の伐採には、自治体によって費用を補助する制度が設けられています。

補助金制度は自治体ごとに条件や申請方法が異なるため、事前に確認しましょう。例えば、豊田市では住宅に倒木するおそれがある危険木の伐採費用に対して、上限50万円、補助率4分の3以内の補助を行っています。

補助金申請には事前申請が必要な場合が多く、伐採前に自治体の農林課や環境課に問い合わせることが重要です。申請には現地調査や写真提出などが求められることがあるため、伐採業者に補助金申請のサポートが可能かも確認しておくと安心です。

縁起を担ぐならお祓いをする

松の木は日本文化において縁起物とされており、伐採前にお祓いを行うことで心の安心を得られます。特に樹齢が長い松や、家の守り木として大切にされてきた松の木の場合、お祓いを検討する価値があります。

お祓いは地域の神社や寺院に依頼でき、費用は5,000円〜3万円程度が相場です。お祓いの方法は地域や信仰によって異なりますが、一般的には神主や僧侶が現地で祝詞をあげたり、塩や酒で清めたりする形式が多いです。

伐採業者の中には、お祓いの手配をサポートしてくれる業者もあるため、見積もり依頼時に確認するとよいでしょう。

伐採以外の剪定・消毒で解決する問題か確かめる

松の木の問題は必ずしも伐採だけが解決策ではなく、剪定や消毒で対応できる場合があります。伐採は元に戻せない決断であるため、まずは代替案を検討することが賢明です。

例えば、日照や視界の問題は適切な剪定で改善できることが多く、剪定費用は高さ3m未満の松で5,000円〜3.5万円、3〜4mで1.6万円〜5.6万円程度と伐採より安価です。また、初期段階の松くい虫被害は予防消毒(1本あたり5,000円〜1万円程度)で進行を抑えられる可能性があります。

剪定や消毒を検討する際は、樹木医や専門の造園業者に相談することをおすすめします。松の木の健康状態や問題の本質を正確に診断してもらえば、伐採の必要性を判断する材料になるでしょう。

松の木の伐採ならお助けマスターにお任せを

松の木の伐採は、枯れや松くい虫被害がある場合、または管理が難しくなった場合に検討すべきです。費用相場は木の高さによって異なり、一般的に2万円~4万円程度ですが、抜根を含めると3万円~12万円になります。

もし信頼できる業者に松の木の伐採依頼を相談したい場合は、全国チェーン店の便利屋お助けマスターにご相談ください。

お助けマスターは、多様な作業に対応する信頼性の高い便利屋サービスです。明確な料金体系と丁寧な対応が特徴で、顧客満足度が高いサービスを提供しています。

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