剪定と伐採の違いとは?意味と内容・相場の違いまで詳しく解説!

「剪定と伐採の違いは何?」「庭木の手入れはどちらを選ぶべき?」などと悩んでいませんか?

剪定は樹木の枝葉を整えて健康と美観を保つ作業で、伐採は樹木を根元から切り倒す作業です。庭木の状態や目的によって、適切な選択は異なります。

この記事でわかること

・剪定と伐採の意味と内容の違い
剪定は樹木の枝葉を計画的に切り整えて健康維持と美観向上を図る作業です。伐採は樹木を根元から切り倒して完全に除去する作業で、老朽化した樹木の除去や土地の有効活用を目的として行われます。

・剪定と伐採を依頼できる業者の種類と特徴
林業・伐採専門業者、植木屋・造園業者、便利屋など様々な業者があります。それぞれに特徴があるため、樹木の状態や作業規模に応じて適切な業者を選ぶことが重要です。

・剪定と伐採の費用相場の違い
剪定は樹木の高さによって1,650円~25,300円程度、伐採は2,000円~60,000円以上と作業内容により大きく異なります。伐採の方が剪定よりも高額になる傾向があり、根の抜根作業には別途費用が発生します。

今回は剪定と伐採の基本知識や業者選びのポイント、費用相場について解説。庭木の手入れに悩んでいる方や適切な管理方法を知りたい方は、参考にしてください。

剪定の意味と内容

剪定とは樹木の枝葉を計画的に切り整えることで、樹木の健康維持と美観向上を図る作業です。適切な剪定は樹木の寿命を延ばし、病害虫の発生を抑制するとともに、庭全体の調和を保つ効果があります。

剪定の意味と内容を以下にまとめました。

  • 樹形を整える
  • 成長を抑制する
  • 花や実のつきを良くする
  • 枯れ・弱り・害虫を防ぐ

詳しく解説します。

樹形を整える

樹形を整える剪定は、樹木本来の美しさを引き出し、庭の景観を向上させる重要な技術です。樹種ごとの自然な成長パターンを理解し、不要な枝や交差する枝を適切に除去することで、光の透過性を高め健全な成長を促進します。

松の透かし剪定や桜の枝抜き剪定など、樹種によって異なる技法が存在し、それぞれの特性に合わせた剪定が必要です。美しい樹形を維持するためには、定期的な観察と計画的な剪定スケジュールを立て、急激な変化を避けながら徐々に理想的な形に導くことが大切です。

成長を抑制する

成長を抑制する剪定は、限られたスペースで樹木を健康に維持するための重要な管理方法です。特に住宅地の庭木や公共スペースでは、電線や建物に干渉しないよう樹高や枝張りをコントロールする必要があります。

成長抑制の剪定では、新芽や成長点を適切に除去し、樹木のエネルギーを分散させることがポイントです。イチョウやケヤキなどの大型樹木は、若いうちから定期的に剪定すると、将来的な大規模剪定や伐採の必要性を減らせます。

樹木への負担を最小限に抑えるため、一度に剪定する量は全体の3分の1以下にとどめることが望ましいですよ。

花や実のつきを良くする

花や実のつきを良くする剪定は、観賞用や果樹の生産性を高めるための専門的な技術です。花芽や果実の形成メカニズムを理解し、適切なタイミングで不要な枝を除去することで、栄養を効率的に分配させます。

バラは花後すぐに剪定すると二番花の開花を促し、リンゴやモモなどの果樹は冬期の剪定で翌年の実付きを改善できます。花木や果樹の剪定では、樹種ごとの花芽形成の特性(前年枝咲きか当年枝咲きか)を把握し、特性に合わせた剪定時期と方法を選択することが豊かな開花と結実の鍵となるのです。

枯れ・弱り・害虫を防ぐ

枯れ・弱り・害虫を防ぐ剪定は、樹木の健康維持と病害虫対策において予防医学的な役割を果たします。枯れ枝や病気にかかった部分を早期に除去すれば、感染の拡大を防ぎ、樹木全体の活力を保持できます。

密集した枝を適度に間引くことで風通しと日当たりが改善され、カイガラムシやアブラムシなどの害虫の繁殖を抑制する効果があるのです。ケヤキやサクラなどの大型樹木では、定期的な剪定によって樹勢を維持し、台風や積雪による枝折れリスクを低減できます。

剪定後は切り口に癒合剤を塗布し、病原菌の侵入を防ぐことが重要です。

伐採の意味と内容

伐採とは樹木を根元から切り倒す作業で、老朽化した樹木の除去や土地の有効活用を目的として行われます。樹木が病気や害虫に侵されている場合や、建物や電線に危険を及ぼす可能性がある場合に必要となる重要な管理方法です。

伐採の種類と内容を以下にまとめました。

  • 主伐
  • 間伐
  • 除伐
  • 皆伐
  • 択伐

詳しく解説します。

主伐

主伐は森林の最終的な収穫作業であり、木材として利用するために成熟した樹木を伐採する方法です。一般的に植林から40〜50年経過した樹木が対象となり、林業における収益の中心となる重要な作業です。

主伐後は再造林を行い、森林の循環利用を図ることが持続可能な森林管理の基本となります。スギやヒノキの人工林では、樹高が20メートル以上に達し、直径が30センチメートル前後になった時点で主伐の時期と判断されます。

主伐の方法には皆伐や択伐があり、地形や環境条件、森林の状態に応じて適切な方法が選択されます。

間伐

間伐は森林の健全な成長を促進するために、混み合った立木の一部を計画的に伐採する作業です。残された木々に十分な光と養分を行き渡らせることで、幹の直径成長を促し、価値の高い木材生産につながります。

人工林では植林後15年頃から5年おきに間伐を実施し、最終的に1ヘクタールあたり600〜800本程度の密度に調整します。間伐を怠ると樹木が細く弱々しく育ち、風雪害に弱い森林になるリスクがあるのです。

近年では間伐材を木質バイオマス発電の燃料や建築材として、有効活用する取り組みが進んでいますよ。

除伐

除伐は植林した樹木の成長を妨げる雑木や灌木を取り除く作業です。植林後5〜10年の若い森林で行われ、目的樹種の健全な成長を確保するために実施されます。

除伐作業では主に下刈り鎌や刈払機を使用し、植栽木の周囲2メートル程度の競合植生を除去します。スギやヒノキの人工林では、周囲の広葉樹が植栽木の生長を妨げないよう、適切なタイミングでの除伐が重要です。

除伐は森林の初期段階における重要な保育作業であり、将来的な森林の質を左右する基盤となります。

皆伐

皆伐は一定区画の樹木をすべて伐採する方法で、大規模な木材生産や土地利用転換の際に採用されます。一度に多くの木材を収穫できる効率的な方法ですが、土壌流出や生態系への影響に配慮が必要です。

日本の林業では一般的に1〜5ヘクタール程度の小面積で皆伐を行い、周辺環境への影響を最小限に抑える工夫がされています。皆伐後は速やかに再造林を行い、森林の多面的機能を早期に回復させることが重要です。

近年では環境保全の観点から、皆伐面積を制限する自治体や保護樹林帯を設ける取り組みが増えています。

択伐

択伐は森林内の特定の樹木のみを選んで伐採する方法で、森林の多様性と連続性を維持しながら木材を収穫できます。樹齢や直径、品質などの基準に基づいて伐採対象木を選定し、森林全体の20〜30%程度を伐採するのが一般的です。

天然林管理や生態系保全を重視する場合に適した方法であり、北海道の天然林やヨーロッパの持続可能な森林経営で広く採用されています。択伐は高度な技術と経験を要する方法ですが、景観維持や生物多様性保全に優れた効果を発揮します。

伐採後の森林は異なる樹齢の木が混在する複層林となり、災害に強く多様な生態系のある森林構造を形成します。

伐採と剪定の違いについて

伐採と剪定は樹木管理における全く異なる作業であり、目的や方法、結果に明確な違いがあります。剪定は樹木の一部の枝葉を切り整えて樹木を生かしたまま美観や健康を保つ作業ですが、伐採は樹木を根元から切り倒して完全に除去する作業です。

剪定は樹木の成長段階で定期的に行う維持管理作業であり、季節や樹種によって最適な時期があります。一方、伐採は樹木が危険な状態になった場合や土地利用の変更時など、特定の理由がある場合に一度限りで実施されます。

枝払い・枝打ちとの違い

枝払いと枝打ちは剪定と伐採の中間に位置する作業で、主に幹から不要な枝を取り除く作業を指します。枝打ちは主に林業で行われ、木材の品質向上を目的として下部の枝を計画的に除去する作業です。

枝払いは伐採後の樹木から枝を取り除く作業を指すことが多く、木材としての利用を前提としています。一方、庭木の手入れでは、枝払いという言葉よりも剪定という表現が一般的に使われます。

枝打ちは主に針葉樹の人工林で行われ、節のない良質な木材生産のために樹高の約40%までの枝を除去する作業です。

庭木・樹木の剪定と伐採の選び方

庭木や樹木の管理方法を選ぶ際は、樹木の健康状態と目的に合わせた判断が重要です。樹木が健康で今後も育成を望む場合は剪定を選び、病気や老朽化で危険がある場合や土地利用の変更を計画している場合は伐採を検討します。

剪定は樹木の美観を保ちながら健全な成長を促す場合に適しており、定期的な実施が理想的です。伐採を選ぶべき状況としては、樹木が建物や電線に接触している場合や、台風などで倒木の危険がある場合が挙げられます。

選択に迷う場合は、専門の樹木医や造園業者に相談し、樹木の状態を正確に診断してもらうことが賢明ですよ。

剪定と伐採の両方を依頼できる業者

庭木の管理において剪定と伐採の両方に対応できる業者を選べば、一貫したサービスを受けられる利点があります。専門知識と適切な機材を持つ業者は、樹木の状態を正確に診断し、最適な管理方法を提案できます。

剪定と伐採の両方を依頼できるのは、以下の業者となります。

  • 林業・伐採専門業者
  • 植木屋・造園業者
  • 便利屋

詳しく解説します。

林業・伐採専門業者

林業・伐採専門業者は高木や危険木の伐採に高い専門性を持ち、特に大規模な伐採作業に適しています。重機操作や特殊伐採の技術を持ち、困難な状況でも安全に作業を完遂する能力があります。

林業資格や建設業許可を持つ業者が多く、クレーンやバックホーなどの大型機材を使用した作業が可能です。不動産管理者や法人からの依頼が多く、住宅密集地や傾斜地などの特殊環境での伐採経験が豊富です。

価格帯は高めですが、危険を伴う大型樹木の伐採や根の抜根作業など高度な技術が必要な場合に最適な選択肢となります。

植木屋・造園業者

植木屋・造園業者は樹木の健康と美観を重視した剪定技術に優れ、庭全体のデザイン性を考慮した管理が可能です。樹種ごとの特性を理解し、季節に応じた最適な剪定方法を提案できる専門知識を持っています。

一般家庭や商業施設の定期的な庭木管理に適しており、剪定から小規模な伐採や植栽、病害虫対策まで幅広いサービスを提供します。造園技能士や剪定士などの資格を持つ職人が多く、手鋏や剪定バサミなどの専門道具を使った繊細な作業が得意です。

庭木の美しさを長期的に維持したい場合や、景観を重視する場合に最適な選択肢ですね。

便利屋

便利屋は小規模な剪定や伐採作業を手頃な価格で提供し、日常的な庭木の手入れに適しています。剪定や伐採だけでなく、草刈りや庭の清掃など複数の作業を一度に依頼できる利便性があります。

2メートル未満の低木の剪定や伐採は1本あたり4,000円程度、2メートル以上は5,000円からと比較的リーズナブルな価格設定が特徴です。高所作業や大規模な伐採には対応できない場合がありますが、緊急性の低い小規模な作業や、他の家事サービスと合わせて依頼したい場合に便利です。

作業前の見積もりを取り、対応可能な範囲を確認すれば、適切なサービスを受けられます。

剪定と伐採の相場の違い

剪定と伐採の費用相場には明確な差があり、一般的に伐採の方が剪定よりも高額になります。価格差は作業の難易度や必要な機材、安全対策の違いに起因しています。

剪定は樹木を生かしたまま形を整える作業であるのに対し、伐採は樹木を完全に除去する作業であるため、より多くの労力と専門技術が必要です。同じ高さの樹木でも、剪定と伐採では2倍から3倍の価格差が生じることが一般的です。

剪定の相場

剪定の費用は主に樹木の高さによって決まります。以下に一般的な相場を表にまとめました。

樹木の高さ剪定費用(税込)
低木(0~3m未満)1,650円~6,600円/本
中木(3~5m未満)4,400円~17,600円/本
高木(5~7m未満)8,800円~25,300円/本
7m以上個別見積もり

特殊な樹木(マツ、マキなど)は通常より高額になります。例えば、3m未満の松の剪定では5,500円~38,500円/本が相場です。

生垣の剪定は長さと高さで料金が決まります。以下に高さ別の費用相場をまとめました。

生垣の高さ剪定費用(税込)/m
1m未満550円~1,100円
1~2m未満1,100円~2,200円
2m以上個別見積もり

料金体系は単価制と日当制の2種類が主流で、単価制は1本ごとの料金設定、日当制は作業時間に応じた料金設定となります。日当制の場合、職人の時給は2,000円~3,000円程度で、1日の作業で15,000円~30,000円が相場です。

料金は地域や業者によって異なり、作業量が多い場合は単価が下がることがあります。また、ゴミ処理費や高所作業車などの追加費用が発生する場合もあります。

伐採の相場

伐採費用は主に樹木の高さと幹の太さによって決まります。高さ別の基本伐採費用(1本あたり)をまとめると以下の通りです。

樹木の高さ伐採費用相場
3m未満(低木)2,000円~8,000円
3m~5m(中木)8,000円~20,000円
5m~7m(高木)22,000円~30,000円
7m~10m30,000円~60,000円
10m以上100,000円~

幹の太さによって、伐採費用は以下のように変動します。

幹の太さ費用への影響
10cm程度基本料金
20cm程度基本料金の約1.5~2倍
30cm以上基本料金の約2~3倍

伐採後に根まで取り除く場合は、以下の別途費用が発生します。

樹木の高さ抜根費用
3m未満3,000円~5,000円
3m~5m12,000円~15,000円
5m~7m30,000円~

伐採費用には通常、木の処分費が含まれていない場合があります。また、クレーン車の使用や交通整理が必要な場合は追加費用が発生するため注意しましょう。

剪定と伐採の正確な費用は、現地調査による見積もりが必要となりますよ。

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剪定は樹木の枝葉を整えて健康と美観を保つ作業で、伐採は樹木を根元から切り倒す作業です。庭木の状態や目的によって、適切な選択は異なります。

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