亡くなった方が所有していた日用品や衣類、写真などを整理するサービスに「遺品整理」と「不用品回収」があります。両者ともに遺品を整理する点で共通していますが、サービス内容には違いがあります。
この記事でわかること
・遺品整理と不用品回収の違い
遺品整理とは、故人の遺した物品の整理や供養をします。対して不用品回収は、自分の不用品を処分します。
・メリット・デメリット
遺品整理業者に依頼した場合のメリットは、物品の扱い方や貴重品の捜索など。デメリットはそれなりに費用がかかることです。不用品回収業者に依頼した場合、遺品整理業者よりも費用が安く済みますが、遺品の仕分けなどは自分で行う必要があります。
・遺品整理を依頼するときの注意点
遺品整理サービスと提供している業者には、少なからず悪徳業者が存在します。悪徳業者に出会わないために、必要な資格を持っているか確認する、複数社から見積りを取るなどしましょう。
今回はそれぞれの違いや、安心して依頼できるおすすめの業者について解説します。遺品整理に悩んでいる人は、ぜひ参考にしてください。
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目次
遺品整理業者は不用品回収業者を兼ねているケースが多い
遺品整理は平成8年ごろから提供され始めたサービスです。以降、参入する業者は徐々に増えています。
遺品整理業を専門としている業者もありますが、多くは遺品整理に関係が深い業者が遺品整理サービスを提供している傾向が見られます。
現状、遺品整理業を専門としている場合でも、ほかの業種から転じてきたという業者もあり、遺品整理業のみを生業としているケースは多くありません。
遺品整理業者は不用品回収業を兼ねている場合が多く、その割合は全体の20%ほど。遺品整理により出た不用品を回収できるため、サービスに厚みが出て利用しやすい点がメリットです。
ほかにも、ハウスクリーニング業や引っ越し業、冠婚葬祭業などが遺品整理のサービスを提供しているケースが見られます。
遺品整理と不用品回収の違いとは
遺品整理と不用品回収は、一見似ているように思えますが、目的や作業内容、取り扱うものが若干異なります。どちらも不用品回収や処分を行っていますが、以下の違いがあるため依頼時には注意が必要です。
- 遺品整理…故人の遺した物品の整理や供養がメイン
- 不用品回収…主に自分の不要な物品の処分がメイン
ここでは、遺品整理と不用品回収の違いを詳しく説明していきます。
遺品整理
遺品整理とは故人が生前使用していた物品を仕分け、処分または保管する作業です。遺品整理は遺族にとって大変な負担となるケースも多いため、専門業者の手を借りることで負担を軽減できます。
遺品整理はただの物品整理ではなく、故人の思い出や感謝の気持ちを大切にしながら進める作業だからです。
遺族・相続人の意志が反映される
遺品整理で大切なポイントは、遺族や相続人の意志が反映される点です。遺品には思い出が詰まった物品も含まれており、どう扱うかは遺族にとって非常に大切な問題です。
物品を単純に捨てるだけではなく、供養や保管が必要なケースもあります。そのため遺品整理は単に物を処分するだけでなく、遺族の意志を尊重しながら慎重に進めるのが大切です。
相続に関わるものを探す作業がある
遺品整理の際には、故人が残した財産や重要書類も探さなければなりません。遺産相続に関連する書類には、例えば以下のものがあります。
- 遺言書
- 保険証書
- 銀行通帳
- 権利証
- 証券
大切な書類が、家のあちこちに散らばっているケースも少なくありません。書類によっては、相続手続きで大切な役割を果たすため、全て探し出しましょう。遺族は法的な手続きや相続問題をスムーズに進められます。
供養して処分するものもある
遺品整理では故人の愛用品や思い出の品々をただ捨てるだけでなく、供養してから処分しなければなりません。
特に写真やお守り、宗教的な意味を持つ物品は、処分に抵抗があるかもしれません。正しい処分方法によって故人への敬意を払いながら、遺族も安心して物品の処分ができるでしょう。
供養が必要な場合、専門の寺院や供養施設と提携している遺品整理業者に依頼するのもおすすめです。
遺品整理士と廃棄物運搬業
遺品整理は単なる物品の処分だけでなく、故人と向き合う最後のチャンスともいえます。もし「専門家の助言を受けながら作業がしたい」と思ったら、遺品整理士に相談してみるとよいでしょう。
遺品整理士は、法律やモラルに基づいた遺品整理の方法を熟知しているため、遺族の意向を汲みながらアドバイスしてくれます。
また遺品の中には一般廃棄物や特殊廃棄物が含まれることもあり、正しく処理するためには、廃棄物運搬業の資格が必要です。
そのため廃棄物運搬業の資格を持つ業者に処分を依頼しましょう。無許可の業者に依頼してしまうと、大切な遺品が不法投棄される危険性もあります。
不用品回収
不用品回収は、自分や家族が不要となった物品を処分するためのサービスです。例えば以下の物を処分しています。
- 家具
- 家電
- 衣類
- 雑貨
日常生活で使わなくなったものを整理し、手軽に処分したいときに利用できます。遺品整理と異なり、シンプルに回収や処分のみ行うため、スムーズかつ迅速に行われることが特徴です。
処分したいものを自由に処分できる
不用品回収の大きな利点は、処分したいものを自由に選べる点です。引っ越しや大掃除などで大量の不用品が出た場合でも、不要と感じたらすべて回収可能。
また捨てるべきか迷うものについても、業者のアドバイスを受けながら決めるられるため、作業がスムーズに進みます。
処分方法
不用品回収の業者は、回収した物品を処分やリユースするための知識やノウハウを持っています。特に処分が難しい家電も、リサイクル法や資源有効利用促進法に基づいた処理が行われるため安心です。
他にも大型家具や危険物・特殊な物など、個人で処分するのが難しいものでも、不用品回収業者に依頼すれば簡単に処理できます。
廃棄物運搬業
不用品回収業者も、廃棄物運搬業の許可が必要です。一般家庭から出る廃棄物の中には、特定の手続きを経なければ処分できないものも含まれています。
そのため業者を選ぶ際には、必ず廃棄物運搬業の資格を持っているかを確認しましょう。無許可の場合は、違法業者の可能性があります。
ただし無許可であっても、許可をもった業者と提携している場合は、違法業者ではありません。
遺品整理を遺品整理業者に依頼するメリット・デメリット
遺品整理を遺品整理業者に依頼する場合、メリットだけでなく、デメリットを押さえておく必要があります。ここでは、それぞれの特徴について見ていきましょう。
メリット:財産に関するものの探索と不用品の仕分けが可能
遺品整理業者に依頼する最大のメリットは、故人の財産に関連するものや重要な書類を見つけ出してくれることです。
そのため相続手続きがスムーズに進み、重要な財産や書類を見逃す心配がありません。また遺品整理業者は不要物と保管すべきものを適切に仕分けることができるため、遺族も大きな手間を省けます。
デメリット:料金がそれなりに高い
遺品整理業者に依頼する場合のデメリットとして、料金が比較的高額になるケースが挙げられます。
特に大量の遺品がある場合や大きな家での整理が必要な場合、費用がかさむ可能性があるため、前もって見積もりを取っておきましょう。また供養が必要な物品や特定の廃棄物の処理に追加料金が発生することもあります。
遺品整理を不用品回収業者に依頼するメリット・デメリット
遺品整理を不用品回収業者に依頼するメリットやデメリットは以下の通りです。
メリット:遺品整理より安く済ませることができる
不用品回収業者に依頼する場合のメリットは、遺品整理業者よりも費用が安く済む点です。特に遺品の中に重要な書類や特別な供養が必要なものが少ない場合、不用品回収業者に依頼するとまとめて回収や処分をしてくれます。
また大規模な整理が必要ない場合や、遺族がある程度整理を済ませている場合には、コストを抑えられるでしょう。
デメリット:遺品の仕分けは自分でやる必要がある
不用品回収業者に依頼する場合、遺品の仕分け作業は基本的に遺族が行う必要があります。そのため気持ち的な負担が大きく、なかなか進まないかもしれません。
また重要な書類や財産を見逃してしまうリスクもあるため、整理を行う際には十分な注意が必要です。
遺品整理を業者に依頼するときの8つの注意点
遺品整理は故人の遺した品々を整理する大切な作業です。しかし精神的にも肉体的にも大きな負担がかかるため、遺族だけで進めるのは難しい場合もあるでしょう。
もし「自分だけで作業を行うのは難しい」と感じたら、遺品整理業者への依頼を検討してみてくださいね。
ただし業者選びには注意が必要です。信頼できる業者を選ばないと、トラブルや追加費用が発生する可能性があります。業者を選ぶ際には、以下の点に注意しましょう。
- 稀に悪徳業者がいるので注意する
- 見積書に追加料金なしと記載してもらう
- 遺品整理士が在籍しているか確認をする
- 廃棄物運搬業を取得しているか確認をする
- 複数社に相見積もりを取り交渉する
- Googleの口コミを確認する
- ホームページに遺品整理作業の実績があるか確認する
- 事業者情報がホームページにあるか確認する
ここでは遺品整理業者に依頼する際に気を付けるべき8つのポイントを解説します。
稀に悪徳業者がいるので注意する
遺品整理のニーズが高まる中で、残念ながら一部の悪徳業者が存在します。悪徳な業者は、顧客の無知や感情的な状況に付け込み、高額な料金の請求や不適切な方法で遺品を処分するケースがあります。
例えば遺品を不法に廃棄するケースや、遺族の同意なく高価な遺品を転売するといった悪質な行為が報告されています。悪徳業者を避けるためには、業者選びの際にしっかりとした調査を行いましょう。
正規の業者は、顧客との信頼関係を大切にし、料金体系やサービス内容についてわかりやすく説明してくれます。過剰なセールストークや曖昧な説明をする業者には注意し、必要なら別の業者に相談してみるのも良いでしょう。
見積書に追加料金なしと記載してもらう
遺品整理の料金体系は業者によって異なりますが、作業の規模や内容によっては予想以上に高額になるケースもあります。
特に曖昧な料金体系を採用している業者に依頼すると、見積もり時には提示されていなかった追加料金が発生することがあるため、注意が必要です。
業者に依頼する際には、事前に見積書をもらい、作業に含まれる内容と料金を確認しましょう。重要なのは、見積書に「追加料金なし」と明記してもらうことです。これにより、後で不必要な費用を請求されるリスクを避けられますよ。
また追加作業や特別な処理が必要な場合には、事前にその旨を業者と相談し、必要な料金についても確認しておくと安心です。
遺品整理士が在籍しているか確認をする
遺品整理には、故人の大切な品々を扱うという側面があるため、専門的な知識や配慮が求められます。そのため、なるべく「遺品整理士」の資格を持つ専門家が在籍している業者を選びましょう。
遺品整理士は、遺品の整理に関する専門的な知識と技術を持ち、遺族の感情に寄り添いながら丁寧に作業を進めます。
また法律に基づいた処理方法も理解しており、故人の遺品に対して敬意を持って対応してくれるでしょう。
資格を持った遺品整理士が在籍している業者は、安心して任せられるため、業者選びの際のポイントにすると良いでしょう。
遺品整理士の存在は、遺族にとって精神的な支えとなり、スムーズな整理を実現するための大きな助けとなります。
廃棄物運搬業を取得しているか確認をする
遺品整理では、大量のゴミや廃棄物が発生するのが一般的です。特に家具や家電製品、生活用品などが含まれる場合、処分するためには「廃棄物運搬業」の許可を持つ業者である必要があります。
廃棄物運搬業の資格を持たない業者に依頼した場合、不適切な方法でゴミが処分される可能性があるため注意が必要です。
違法な処理が行われたり、環境に悪影響を及ぼす結果になる可能性があるかもしれません。最悪の場合、遺族自身が法的な責任を問われることもあり得ます。
そのため業者に依頼する前に、必ず廃棄物運搬業の資格を持っているかを確認するのがおすすめです。許可を持つ業者は、法令に従って適切に廃棄物を処理し、安心して依頼できます。
複数社に相見積もりを取り交渉する
遺品整理業者を選ぶ際には、1社だけに依頼するのではなく、複数の業者から見積もりを取り、サービス内容や料金を比較しましょう。これを「相見積もり」と呼びます。
相見積もりを取ると、業者ごとの料金設定やサービス内容の違いが明確になります。例えば、ある業者では基本料金に含まれている作業が、別の業者では追加料金として請求される場合があります。
業者による違いを把握すると、自分にとって最も適した業者を選ぶことができ、無駄な出費も避けられるでしょう。
また相見積もりを取った後に業者と交渉することで、料金をより安く抑えることができる場合もあります。業者同士が競争することで、サービスの質が向上する可能性もありますので、遠慮せずに交渉を行ってみてください。
Googleの口コミを確認する
インターネット上の口コミは、業者の信頼性やサービスの質を確認するための大切な情報源です。特にGoogleの口コミは、多くの利用者が書き込んでいるため、信憑性が高いと考えられます。
遺品整理業者を選ぶ際には、事前にGoogleで業者名を検索し、実際にその業者を利用した人々の意見や評価を確認しましょう。高評価の口コミが多い業者は、信頼性が高く、安心して依頼できる可能性が高いためです。
ただし口コミには個人の感想が反映されるため、すべてを鵜呑みにするのではなく、総合的に判断しましょう。また不自然に高評価ばかりの業者には逆に注意が必要です。
極端に良い評価だけが並んでいる場合、業者側が意図的に口コミを操作している可能性も考えられます。
ホームページに遺品整理作業の実績があるか確認する
業者のホームページは、信頼性を判断するための重要な情報源です。特に、過去にどのような遺品整理の作業を行ったか、その実績が掲載されているかを確認しましょう。
信頼できる業者は、過去の作業実績を透明に公開していることが多く、写真や具体的な作業内容をホームページに掲載しています。業者の経験や能力を確認することができ、安心して依頼できるでしょう。
ただし実績が明確に示されていない業者や、具体的な作業内容が曖昧な業者は注意が必要です。実績を公開できない理由があるかもしれないため、業者選びの際には慎重に判断することが求められます。
事業者情報がホームページにあるか確認する
信頼できる業者であるかを確認するためには、ホームページに事業者情報がしっかりと記載されているかを確認しましょう。具体的には以下の情報が挙げられます。
- 会社名
- 所在地
- 連絡先
- 代表者名
お助けマスターなら遺品整理と不用品回収のどちらも対応可能!
便利屋お助けマスターは、遺品整理と不用品回収の両方に対応可能な専門業者です。遺族の意向を最大限に尊重しながら、遺品の整理や不用品の回収を行います。また遺品整理士や不用品回収の経験豊富なスタッフが多数在籍しているため、安心してご依頼ください。