家族や親しい人が亡くなり、葬儀を済ませた後、次に故人の遺品整理を行う必要があります。
しかし心境によっては、すぐに遺品整理に取り掛かるのは難しいこともあるでしょう。
そこで今回は、遺品整理を始めるべき適切なタイミングについて、詳しくご説明します。
この記事でわかること
・遺品整理を始めるタイミング
亡くなってから1週間後~10ヶ月以内、気持ちが落ち着いたタイミングで始めましょう。
・遺品整理のスケジュールを決めるポイント
遺品の仕分けには思った以上に時間がかかるため、じっくり時間をかけられる用スケジュールを立てましょう。
・遺品整理のタイミングが遅れた場合のデメリット
遺品整理が遅れると、相続税など法的な手続きが遅れたり固定資産税が発生したりなどのリスクが。また防犯にも気を付ける必要があります。
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目次
故人の遺品整理はいつから始めるのが良いか
遺品整理は、故人を偲びながら行う大切な作業ですが、いつから始めるのがよいのか迷うことがあるかもしれません。
タイミングを誤ると思わぬトラブルを招く可能性もあるため、慎重に進める必要がありますが、一般的なタイミングは以下の通りです。
- 葬儀直後(1週間以内)
- 年金・保険等の役所諸手続き後(なくなって1週間後~1カ月)
- 四十九日法要の後(亡くなってから49日後以降)
- 相続放棄の期限前(亡くなった5か月以内)
- 相続税の申告期限前(亡くなった10か月以内)
- 気持ちが落ち着いて気力が出たタイミングで
ここでは、遺品整理を開始する適切なタイミングについて、いくつかのポイントに分けて解説します。
葬儀直後(1週間以内)
葬儀が終わってすぐに遺品整理を始めるケースはあまり多くありませんが、なんらかの事情がある場合や、すでに故人の持ち物が整理されている場合は例外です。
また急な引越しや、住居の明け渡しの期限が迫っている場合などは、葬儀直後でも遺品整理に取りかかる必要があります。
葬儀直後に遺品整理を行う場合、気持ちの整理がつかないまま作業を進めることが多いため、精神的にも負担が大きいかもしれません。
また急いで行うと大切な物や重要なものを誤って処分してしまう可能性もあります。そのため時間に余裕がある場合は、もう少し心の準備を整えてから始めることをおすすめします。
年金・保険等の役所諸手続き後(亡くなって1週間後~1カ月)
年金や保険、役所関係の諸手続きを終えてから、遺品整理を始めるのも一般的な流れです。葬儀が一段落し、最も切迫した手続きが終わるこのタイミングであれば、少し落ち着いて作業に取り掛かれるでしょう。
亡くなって一カ月前後は、まだ悲しい気持ちがあるかもしれません。しかし実務的な処理も進めなければならないため、少しずつ整理を進めていきましょう。
まずは重要書類や貴重品の整理から始め、無理のない範囲でゆっくり進めることがポイントです。
四十九日法要の後(亡くなってから49日後以降)
四十九日法要は、故人の魂が安らかに成仏する節目とされる日です。多くの家族が、四十九日法要を終えてから遺品整理を始めています。
この頃には、葬儀や法事といった行事ごとも落ち着き、気持ちにも多少の余裕が生まれるため、遺品を整理するタイミングとしてぴったりでしょう。
また法要のタイミングで親族が集まることが多いため、故人にまつわる話し合いや、残す遺品についての相談もスムーズに進みます。
気持ち的な区切りもつきやすく、キリの良いタイミングとして、多くの家庭で選ばれる時期です。
相続放棄の期限前(亡くなった5か月以内)
相続放棄の期限は、故人が亡くなった日から3か月以内と定められています。そのため期間内に、故人の遺品や資産をしっかり確認しておくとスムーズでしょう。
財産や負債の状況が明らかになっていない場合、遺品整理を進める中で状況が明確になるケースもあり、相続放棄の判断材料になります。
このため相続放棄の決定を行う前に遺品整理を始め、財産や負債の確認を行うのがおすすめ。この際はあまり多くのものを処分せず、必要最低限のものだけを整理することがポイントです。
相続税の申告期限前(亡くなった10か月以内)
相続税の申告は、故人が亡くなってから10か月以内に行わなければならないため、遺品整理も徐々に進める必要があります。
特に以下のような財産に関わる遺品は、相続手続きに影響を与えるため、早めに整理しておくことが重要です。
- 不動産
- 貴金属
- 証券
- 貯金
- 現金
相続税申告を円滑に進めるためにも、遺品整理を早期に進め、財産状況をしっかり把握しておきましょう。残しておくべき重要な品物と処分するものを分け、整理を進めていくと失敗がありません
気持ちが落ち着いて気力が出たタイミングで
最も大切なのは、自分の気持ちが落ち着き、遺品整理に取り組む気力が湧いたタイミングで始めることです。
故人との思い出が詰まった品々を整理することは、気持ちの負担が大きい作業ではないでしょうか。無理をせず、自分のペースで進めていきましょう。
気持ちが落ち着いてから始めることで、故人に対する思いをしっかりと整理し、感謝の気持ちで遺品を手放せます。タイミングは人それぞれ異なりますが、無理せず進めることが一番です。
遺品整理をいつから始めるか決める方法
遺品整理を始めるタイミングをどうするかは悩むポイントです。基本的な決まりはありませんが、以下のポイントを踏まえながら決めていきましょう。
- 業者に依頼か自力かでスケジュールが変わる
- 期限から逆算してスケジュールを考える
- 遺品の量と種類・ゴミ処分出し日を確認して決める
- 作業者の人数と作業が確保できる時間を考える
ここでは、遺品整理をいつから始めるか決める際に考慮すべきポイントについて解説します。
業者に依頼か自力かでスケジュールが変わる
遺品整理を自力で行うか、業者に依頼するかによって、スケジュールが大きく変わってきます。自力で行う場合、時間と労力がかかるため、日程に余裕を持って計画を立てる必要がありるでしょう。
しかし業者に依頼する場合は、プロが効率よく整理を進めてくれるため、手間のかかる作業も短時間で完了します。
そのため故人が遺した遺品の量が多い場合や、遠方に住んでいて頻繁に現地に通えない場合は、業者に依頼することを検討するとよいでしょう。業者の選定や依頼するタイミングによって、スケジュールの調整が必要です。
期限から逆算してスケジュールを考える
相続手続きや税金の申告期限など、法律や行政上の期限が決まっている場合、遺品整理のスケジュールを逆算して考えるとよいでしょう。例えば相続関係の手続きの期限は以下の通りです。
手続き内容 | 期限 | 説明 |
死亡届の提出 | 7日以内 | 市区町村役場に死亡を届け出る必要がある。 |
相続放棄・限定承認の申述 | 3ヶ月以内 | 相続放棄や限定承認を行う場合、家庭裁判所へ申請する。 |
被相続人の準確定申告 | 4ヶ月以内 | 被相続人が亡くなった年の所得税の申告を税務署へ行う。 |
相続税の申告・納付 | 10ヶ月以内 | 相続税の申告・納付を税務署に行う。 |
遺産分割協議 | 法的な期限なし | 相続人全員で遺産の分割方法を話し合う。早めに進めることがよい。 |
手続前には相続財産を把握する必要があるため、遺品整理もその期限に合わせて進める必要があります。
手続の際は法的な期限を意識しながら、必要な手続きを行うためのスケジュールを計画することで、後々のトラブルも避けられます。余裕を持った計画を立て、期限に間に合うように進めていきましょう。
遺品の量と種類・ゴミ処分出し日を確認して決める
遺品の量や種類によって、整理にかかる時間は大きく異なります。大量の遺品がある場合や、家具や家電など大型のものが多い場合は、計画的に進めるのがポイントです。
また地域によってはゴミの回収日が決まっているため、日程に合わせて整理を進める必要があります。
まずは遺品の全体量を把握し、どの程度の作業時間が必要かを見積もるところから始めましょう。そしてゴミの処分日や自治体のルールを確認し、スケジュールを立てると、効率よく遺品整理を進められます。
作業者の人数と作業が確保できる時間を考える
遺品整理を行う際は、一人で行うのか家族や親戚と協力して行うかによって、スケジュールが変わってきます。
作業者の人数が多いほど、作業はスムーズに進むため、できるだけ多くの人手が確保できるとよいでしょう。また作業に割ける時間が限られている場合は、事前にしっかりと日程を調整するのが上手くいくコツです。
特に遺品整理は感情的な負担が大きいため、無理のないペースで進めることが大切です。協力者が多ければ、気持ちの支えにもなるため、家族と話し合って一緒に進めるのもよいでしょう。
遺品整理のスケジュールを立てる上で知っておくべきこと
遺品整理は、単なる物の整理ではなく、心の整理にもつながる大切な作業です。ここでは遺品整理のスケジュールを立てる際に知っておくべきポイントを紹介します。主に以下の点に注意して進めていきましょう。
- 必要な品の仕分けや処分品の分別に想定以上時間がかかる
- 親が亡くなった辛さで遺品整理が進まないこともある
それぞれ詳しく見ていきましょう。
必要な品の仕分けや処分品の分別に想定以上時間がかかる
遺品整理を始めてみると、予想以上に仕分けや分別に時間がかかるケースがあります。特に感情がこもった品物や、何を残すべきか判断が難しいものが多い場合、整理がなかなか進まないかもしれません。
また遺品の中には家族や親族と相談して決めなければならないものもあるため、慎重に時間をかけて進めるのがよいでしょう。
そのため遺品整理には余裕を持ったスケジュールを立てることが重要です。
最初から全てを一気に片付けようとせず、少しずつ進めていくようにしましょう。
親が亡くなった辛さで遺品整理が進まないこともある
親が亡くなった場合、その悲しみが大きく、遺品整理に手をつけることが難しくなります。精神的な負担が大きく、なかなか作業が進まないことも珍しくありません。
その場合は、無理をせず、自分の気持ちが整理できるまで待つのがよいでしょう。
また親族や友人に協力をお願いし、一緒に進めることで、精神的なサポートを受けながら整理を進められます。辛い時こそ、周りの人に頼ることも一つの方法です。
遺品整理の開始タイミングが遅れることのデメリット
遺品整理を始めるタイミングが遅れると、以下のデメリットがあります。
- 相続や相続税の申告が遅れる
- 空き巣のリスクがある
- 賃料や固定資産税などが生じる
- 感情が整理つかないままになる
ここではそれぞれのデメリットを紹介します。
相続や相続税の申告が遅れる
遺品整理が遅れると、相続手続きや相続税の申告にも影響が出る可能性があります。遺品整理をするにあたりい財産や負債を整理し、正確に把握するのは必須です。
万が一遅れてしまうと、相続手続きの進行にも影響が出るかもしれません。スムーズに相続手続きを進めるためには、できるだけ早めに遺品整理を始め、財産状況を把握しましょう。
空き巣のリスクがある
長期間空き家になったまま放置されている家は、空き巣のターゲットになる可能性が高まります。
特に家の中に貴重品や高価な家具が残っている場合、犯罪に巻き込まれる恐れがあるでしょう。遺品整理を早めに行い、家を整理整頓しておくのがポイントです。
また空き家の管理が不十分だと、近隣住民とのトラブルになることもあります。そのため、なるべく早めの対応をしましょう。
賃料や固定資産税などが生じる
故人が賃貸物件に住んでいた場合、遺品整理が遅れると、賃料を余分に支払う必要が出てきます。
また自宅や土地がある場合も、固定資産税が発生し続けるため、早めに整理を進めて売却や賃貸などの対応を考えましょう。
無駄にかかってしまうお金が増えると、相続人にとって経済的な負担が大きくなります。遺品整理はできるだけ早めに進めましょう。
感情が整理つかないままになる
遺品整理を長く放置すると、気持ちの整理がつかないままになることがあります。特に故人との思い出が多く詰まった品々を目の前にすると、整理を進めるのが難しくなり、先延ばしにしてしまうかもしれません。
遺品整理は、故人との別れを受け入れ、気持ちを整理する作業の一環でもあります。早めに着手すると、気持ちの整理も進めやすくなり、前向きな気持ちになれるでしょう。
早く終わらせたいときは遺品整理業者に依頼しよう
遺品整理は、精神的にも肉体的にも負担が大きい作業です。特に大量の遺品がある場合や、時間的な悩みがある場合は、専門の遺品整理業者への依頼を検討するとよいでしょう。
便利屋お助けマスターでは経験豊富なプロのスタッフが数多く在籍。効率よく整理を進めるため、自力で行うよりも短期間で作業が完了します。また不要な品物の処分や貴重品の仕分けもスタッフが行うため、安心してお任せください。
特に相続手続きや、賃貸物件の明け渡し期限が迫っているといった悩みもご相談ください。遺品整理を円滑に終わるお手伝いをいたします。