遺品整理における特殊清掃とは?遺品整理との違いと費用相場・作業の流れを紹介

「遺品整理と特殊清掃の違いは何?」「費用相場はどのくらい?」などと気になっていませんか?

遺品整理は故人の遺品を整理する作業で、特殊清掃は遺体発見現場の消毒・除菌を行う専門的な作業です。費用相場は状況によって異なりますが、両方合わせて20万円〜100万円程度が一般的です。

この記事でわかること

・特殊清掃と遺品整理の違いと必要性
特殊清掃は遺体発見現場の消毒・除菌を行う専門的作業で、遺品整理は故人の遺品を整理する作業です。自殺や孤独死の場合、衛生上の問題から特殊清掃が必要不可欠となります。

・特殊清掃と遺品整理の費用相場
両方合わせて20万円〜100万円程度が一般的です。特殊清掃のみの場合は10万円〜50万円、現場の状況によっては100万円を超えることもあります。

・適切な業者の選び方
電話対応や服装のマナー、見積もりの明瞭さ、作業実績、事業者情報の公開、口コミ評価などを総合的に判断することが重要です。極端に安い見積もりには注意が必要です。

今回は遺品整理の基本知識や業者選びのポイントについて解説。遺品整理に直面している方や将来的に必要になる可能性のある方は、参考にしてください。

特殊清掃とは故人の遺体で見つかったときに行われる

特殊清掃は、遺体発見現場の衛生管理と安全確保を目的とした専門的な清掃作業です。通常の清掃とは異なり、血液や体液の除去・消毒・脱臭など、高度な技術と知識が必要となります。

特殊清掃の対象となる状況には、事故死・自殺・孤独死などがあり、遺体の腐敗が進行している場合は特に重要です。作業には専門の防護服や機材を使用し、感染症のリスクを最小限に抑えながら行います。

遺品整理と特殊清掃の違い

遺品整理は故人の所有物を整理・処分する作業であり、特殊清掃は遺体発見現場の消毒・除菌を行う作業です。両者の目的と専門性は大きく異なります。

遺品整理は遺族や関係者が行うこともありますが、特殊清掃は専門業者による実施が不可欠です。遺品整理が故人の思い出を整理する作業であるのに対し、特殊清掃は公衆衛生の観点から必要不可欠な作業といえます。

特殊清掃では、専門的な機材や薬剤を使用し、目に見えない病原体まで徹底的に除去します。一方、遺品整理では故人の意思を尊重しながら、遺品の仕分けや処分を行うのです。

特殊清掃を自分でやるのは難しい

特殊清掃を素人が行うことは、健康被害や二次感染のリスクが高く、極めて危険です。専門的な知識や技術、設備が必要なため、一般の方が行うことは推奨されません。

例えば、血液や体液の除去には特殊な洗剤や機材が必要であり、適切な防護服の着用も欠かせません。また、悪臭の除去や害虫対策など、専門的なノウハウが求められる作業も多く含まれます。

さらに、特殊清掃では法的規制や廃棄物処理の手続きなど、専門知識が必要な面もあります。適切な処理を怠ると、法的責任を問われる可能性もあるため、専門業者への依頼が不可欠です。

遺品整理と特殊清掃を同時に行うことができる業者も多い

多くの業者が遺品整理と特殊清掃のサービスを同時に提供しています。よって、依頼者の負担を軽減し、効率的な作業が可能です。

同時に依頼することで、作業の重複を避け、時間とコストを削減できます。また、一貫した対応により、遺族の精神的負担を軽減する効果も期待できます。

ただし、両方のサービスに精通した信頼できる業者を選ぶことが重要です。業者選びの際は、実績や資格、対応の丁寧さなどを総合的に判断することが大切です。

また、見積もりの透明性や作業内容の詳細な説明を求めることも、トラブル防止につながりますよ。

遺品整理で特殊清掃が必要な例

遺品整理の際に特殊清掃が必要となるケースは主に二つあります。一つは自殺、もう一つは孤独死です。通常の清掃方法では対処できない衛生上の問題が発生するため、専門的な清掃が不可欠となります。

自殺

自殺現場では、血液や体液の除去・消毒・脱臭など、高度な専門技術が要求されます。特に、銃器や刃物を使用した場合、広範囲に血液が飛散している可能性があるため徹底した清掃が必要です。

自殺現場の特殊清掃では、目に見える汚れだけでなく、目に見えない病原体やDNAの除去も重要です。また、自殺の方法によっては、建材の一部を取り替える必要がある場合もあります。

遺族の心情に配慮しながら、迅速かつ丁寧な作業が求められます。

孤独死

孤独死の場合、発見が遅れることが多く、遺体の腐敗が進行している場合があります。そのため、悪臭や害虫の発生、建材への体液の浸透など複雑な問題が生じています。

孤独死現場の特殊清掃では、腐敗臭の除去や害虫駆除、建材の交換など幅広い作業が必要です。また、近隣住民への配慮も重要で、臭気対策や衛生管理に特に注意を払う必要があります。

専門業者による適切な対応が、二次被害の防止と環境の回復に不可欠ですよ。

特殊清掃と遺品整理の費用相場

特殊清掃と遺品整理の費用は、作業の内容や規模によって大きく変動します。特殊清掃は特殊な技術や設備、安全対策が必要となるため、遺品整理よりも高額になる傾向があるため注意が必要です。

ここでは、特殊清掃と遺品整理を行った場合と特殊清掃を行った場合の費用相場を紹介します。

特殊清掃と遺品整理を行った場合

特殊清掃と遺品整理を同時に依頼した場合、一般的な費用相場は20万円〜100万円程度です。ただし、現場の状況や作業の難易度によっては、さらに高額になります。

もし建材の交換や害虫駆除が必要な場合は、さらに費用が増加するでしょう。費用は作業時間や使用する資材、処理する廃棄物の量などによっても変動します。

緊急対応や夜間作業の場合は追加料金が発生することがあるため、事前に確認が必要です。

特殊清掃のみの場合

特殊清掃のみを依頼する場合、費用相場は10万円〜50万円程度です。費用に影響する主な要因は、清掃面積・汚染の程度・作業の難易度で、現場の状況によっては100万円を超えることもあります。

例えば、6畳程度の部屋で自殺があった場合、血液の飛散範囲や使用された手段によって費用が高っくなる可能性が高いです。現場の状況によっては特殊な機材や薬剤が必要となり、さらに費用が増える可能性があります。

特殊清掃の費用には専門的な清掃作業だけでなく、消毒や脱臭、廃棄物処理なども含まれますよ。

遺品整理と特殊清掃を同時に行う流れ

遺品整理と特殊清掃の同時進行は、効率的かつ衛生的な作業です。専門業者は、感染症リスクの低減と心理的負担の軽減を両立させます。

以下に作業を行う流れをまとめました。

  1. 血液・体液を掃除していく
  2. 死臭・悪臭を除去していく
  3. 害虫対策を行う
  4. 通常の遺品整理を行う

詳しく解説します。

血液・体液を掃除していく

血液や体液の除去は、特殊清掃の最重要ステップです。専門業者は、感染症リスクを最小限に抑える洗剤と技術を用います。

一般的な清掃とは異なり、目に見えない病原体まで徹底的に除去します。作業には、特殊な防護服と専用機材が必要不可欠です。

血液や体液が浸透した箇所は、表面だけでなく深部まで処理が必要な場合があります。

死臭・悪臭を除去していく

死臭や悪臭の除去は、心理的負担の軽減に直結します。特殊な脱臭剤と専用機材を使用し、空間を快適な状態に戻すのです。

臭気の完全除去には時間がかかる場合があり、専門業者は継続的なフォローアップを行います。臭いの原因に応じて、オゾン発生器や活性炭など様々な手法を組み合わせます。

臭いの種類や強さによっては、数日から数週間の継続的な処理が必要ですよ。

害虫対策を行う

害虫対策は、衛生管理と二次被害防止の観点から重要です。死後の放置により発生した害虫を、専門的な方法で駆除します。

特に腐敗が進行している場合、害虫の繁殖が著しいため、迅速な対応が求められるでしょう。専門業者は、環境に配慮した薬剤を使用し、安全かつ効果的な駆除を行います。

害虫の種類や繁殖状況によっては、複数回の処理が必要です

通常の遺品整理を行う

最後に、通常の遺品整理の実施です。遺族の意向を尊重しつつ、思い出の品を適切に扱います。

専門業者は、遺品の仕分けや処分方法について、遺族にアドバイスを提供します。必要に応じて、リサイクルや寄付などの選択肢も提案し、環境に配慮した整理を心がけます。

遺品の中には法的な処理が必要なものや、特別な取り扱いが求められるものもあるため、専門知識を持った業者の助言が重要です。

特殊清掃をした部屋の遺品は買取が難しくなる

特殊清掃後の遺品は、買取が困難になる傾向です。自殺や孤独死の現場では、血液や体液の付着により、心理的抵抗感が強くなります。

多くの買取業者は、衛生上の問題がある遺品を対象外としています。仮に買取可能でも、市場価格の50%以下での評価が一般的です。

遺族の思い入れと実際の価値に、大きな乖離が生じる場合があります。

特殊清掃後の遺品は消毒や除菌処理を行っても、買取業者や一般消費者の心理的抵抗感を完全に払拭することは難しいのが現状です。

遺品整理・特殊清掃業者の選び方

適切な遺品整理・特殊清掃業者の選定は、作業の質と信頼性を左右します。複数の基準を設け、総合的に判断することが重要です。

以下に業者を選ぶポイントをまとめました。

  • 電話対応や服装にマナーがあること
  • 見積もりが明瞭でオプションや追加料金の説明がある
  • 特殊清掃・遺品整理の作業実績が豊富
  • 消臭作業もやってくれる
  • 安すぎる業者は悪徳業者の可能性もある
  • 事前に現地確認をしてくれるか
  • 事業者情報がしっかりと掲載されている
  • Googleなどのネットの口コミが良い

詳しく解説します。

電話対応や服装にマナーがあること

業者の電話対応や服装は、プロ意識の表れです。丁寧な言葉遣いと清潔な身だしなみは、作業の質にも反映されます。

初回の接触で、業者の姿勢や対応レベルを判断できます。例えば、挨拶や説明の仕方、質問への回答態度などから、信頼性を推し量ることができるでしょう。

また、電話対応時の声のトーンや話し方からも、業者の誠実さや専門性を感じ取れます。

見積もりが明瞭でオプションや追加料金の説明がある

明確な見積もりと追加料金の説明は、業者の誠実さを示します。詳細な内訳と分かりやすい説明は、顧客への配慮の表れです。

例えば、基本料金や作業内容別の料金、オプションサービスの料金などが明確に示されているかを確認します。追加料金が発生する可能性がある場合は、事前に説明があるかどうかも重要なポイントです。

また、見積もり内容に不明点がある場合、丁寧に説明してくれるかどうかも業者選びの基準となります。

透明性の高い料金体系は、後のトラブル防止にもつながり、信頼関係構築の基礎となりますよ。

特殊清掃・遺品整理の作業実績が豊富

豊富な作業実績は業者の信頼性と技術力を裏付け、過去の対応事例や実績数は、業者選定の重要な判断材料となります。例えば、年間の対応件数や、特殊なケースへの対応実績などを確認します。

実績が豊富な業者は、様々な状況に適切に対応できる可能性が高いです。他にも、実績の中で自社の強みや特徴的な対応事例を具体的に説明できる業者は、信頼性が高いと言えるでしょう。

さらに、長年の経験から得られたノウハウや効率的な作業方法は、作業の質と速度の向上につながり、顧客満足度の高さにも反映されます。

消臭作業もやってくれる

消臭作業の提供は、総合的なサービスの証です。特殊清掃後の臭気対策は、心理的な負担軽減に重要な役割を果たします。

専門的な消臭技術や機材を持つ業者は、長期的な臭気問題にも対応できます。オゾン発生器や特殊な脱臭剤の使用など、具体的な消臭方法を確認することが大切です。

また、消臭作業の効果を保証してくれる業者や、作業後のフォローアップを行う業者は特に信頼できると言えるでしょう。

安すぎる業者は悪徳業者の可能性もある

極端に安い見積もりは、サービスの質や信頼性に疑問を投げかけます。適正価格での見積もりは、適切な作業の保証につながります。

例えば、市場平均の半額以下の見積もりを提示する業者には注意が必要です。安価な理由を詳しく確認し、隠れた追加料金がないか慎重に調査することが重要です。

また、安価な見積もりの背景に、不適切な処理方法や法令違反がないかも確認する必要があります。適正な価格設定は、作業員の適切な待遇や品質の高い資材の使用を可能にし、結果として高品質なサービス提供につながります。

事前に現地確認をしてくれるか

事前の現地確認は、正確な見積もりと適切な作業計画の基礎となります。現場の状況を直接確認することで、予期せぬ問題を回避できるでしょう。

現地確認では、作業範囲や必要な機材、予想される作業時間などを詳細に評価します。より正確で透明性の高い見積もりが可能です。

また、現地確認時の業者の態度や質問内容からも、専門性や誠実さを判断できます。

現地確認を通じて、遺族の要望や懸念事項を直接聞き取れば、より適切な作業計画を立てることができます。

事業者情報がしっかりと掲載されている

詳細な事業者情報の公開は、業者の透明性と信頼性を示します。会社概要・所在地・連絡先などの基本情報が明確に記載されているかを確認します。

例えば、ウェブサイトや会社案内に、代表者名・設立年・資格情報などが記載されているかを確認しましょう。情報が容易に確認できることは、業者の信頼性の一つの指標となります。

また、事業者情報の開示度合いから、業者の経営姿勢や顧客への誠実さを推し量ることもできます。さらに、業界団体への加盟状況や取得している認証・資格なども、業者の信頼性を判断する上で重要な情報です。

Googleなどのネットの口コミが良い

オンラインの口コミは、実際の利用者の声を反映します。Google等の信頼性の高いプラットフォームでの評価を参考にすることが有効です。

ただし、口コミの内容を批判的に読む必要があり、具体的な作業内容や対応の詳細が記載された口コミは特に参考になります。また、ネガティブな口コミに対する業者の対応も、サービス品質の指標です。

口コミの数や内容、そして業者の対応姿勢を総合的に判断すれば、より信頼できる業者を選べます。

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遺品整理は故人の遺品を整理する作業で、特殊清掃は遺体発見現場の消毒・除菌を行う専門的な作業です。費用相場は状況によって異なりますが、両方合わせて20万円〜100万円程度が一般的です。

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