庭木の剪定のやり方ガイド!自分でやる剪定の基本とコツ・剪定後の処分方法まで紹介!

「庭木の剪定のやり方が分からない」「どの枝を切ればよいか迷っている」などと悩んでいませんか?

剪定は樹木ごとに適した時期や方法を守ることで、健康で美しい庭木を維持できます。正しい道具選びや切り方のコツを知ることが解決の第一歩です。

この記事でわかること

・庭木の剪定の大まかやり方・流れ
庭木の剪定は時期選びが重要です。落葉樹は冬の休眠期、常緑樹は春の新芽展開前が基本です。適切な剪定時期を守ることで樹木の健康を維持し、美しい成長を促せます。

・枝の剪定のやり方とコツ
剪定ばさみを使う際は垂直に切ることが基本です。太い枝は切り込みを入れながら安全に切り、外向きの芽の上で切ることで美しい樹形を維持できます。

・庭木の剪定でやり方を間違えると問題が起こる
不適切な剪定は花が咲かない、木が枯れるなどの問題を引き起こします。樹種に合わせた適切な剪定を行い、必要に応じてプロに依頼することで美しい庭を保てます。

今回は庭木剪定の基本的な方法やコツ、注意点について解説します。庭木の手入れにお悩みの方や自分で剪定に挑戦したい方は、ぜひ参考にしてください。

庭木の剪定の大まかやり方・流れ

庭木の剪定は樹木の健康維持と美観向上を目的とした体系的な作業です。常緑樹なら3-4月、落葉樹は1-2月、果樹は収穫後が基本の時期で、誤ると枯死リスクが40%上昇します。

庭木の剪定の大まかやり方・流れを以下にまとめました。

  1. 剪定する木の剪定時期を知る
  2. 自力でやるか業者に依頼するかを決める
  3. 剪定用の道具を用意する
  4. 庭木の剪定を行う
  5. ゴミを処分する

詳しく解説します。

剪定する木の剪定時期を知る

サクラやモミジなどの落葉樹は休眠期の1月下旬から2月が最適です。樹液の流動が止まり、切り口からの病原菌侵入を防げます。

クスノキやシマトネリコなどの常緑広葉樹は3〜4月の新芽展開前が適期で、マツ類なら10〜11月にみどり摘みを行います。地域によって1〜2週間の調整が必要で、関東と北海道では剪定時期が2週間異なるため、気をつけましょう。

適期を守ることで樹木の回復力が高まり、翌年の花や実付きにも良い影響を与えます。

自力でやるか業者に依頼するかを決める

高さ3m未満の庭木ならDIYが可能ですが、4mを超える場合はプロの作業が安全です。業者依頼の相場は樹高3mで5,000円、5mで15,000円程度です。

特殊工具が必要なヤシの木や大規模な生け垣は、1本あたり30,000円以上の費用がかかる場合があります。

自力で行う場合は安全対策を徹底し、無理を感じたら早めに専門業者へ相談しましょう。

剪定用の道具を用意する

剪定作業には用途に合わせた専用道具を揃えることが、安全で効率的な作業の基本です。適切な道具を選ぶことで、枝の切り口がきれいに仕上がり、樹木のダメージを最小限に抑えられます。

作業前には全ての道具の切れ味や安全性を確認し、必要に応じてメンテナンスも実施します。道具が揃っていない場合は、ホームセンターや園芸専門店で必要な道具を事前に購入しましょう。

作業後は道具をきちんと手入れし、次回も快適に使えるように保管場所を整えます。剪定用の道具は以下の通りです。

  • 剪定用の手袋・軍手
  • 剪定ばさみ
  • 植木ばさみ
  • 刈り込みばさみ
  • 高枝切りばさみ
  • 高枝切りノコギリ
  • 電動ノコギリ
  • 脚立

詳しく解説します。

剪定用の手袋・軍手

剪定作業では手袋や軍手を着用することで手指のけがやトゲ、虫刺されから身を守れます。厚手の革手袋はバラやトゲのある樹木に適しており、軍手は軽作業や細かい作業に向いています。

例えば、バラの剪定時には厚手の手袋を使い、サクラやモミジの細枝には軍手を使うと安全性と作業性を両立できるでしょう。手袋や軍手はサイズが合ったものを選び、作業後は汚れを落として保管します。

手袋が破れた場合はすぐに交換し、常に清潔な状態を維持します。夏場は通気性の良い素材を選ぶと手汗による滑りを防ぐことが可能です。

剪定ばさみ

剪定ばさみは直径2cm程度までの細い枝を切るのに最適な道具です。切れ味の良い剪定ばさみを使うことで、枝の切り口が滑らかになり、樹木の傷口から病原菌が侵入しにくくなります。

例えば、ツツジやサツキなどの低木の剪定には剪定ばさみが活躍します。使用後は刃先をきれいに拭き、サビ止めを塗布して保管することが長持ちの秘訣です。

グリップ部分が握りやすいタイプを選ぶと手が疲れにくく、長時間の作業にも適しています。切れ味が落ちた場合は、専用の砥石で定期的に刃を研ぐことが大切です。

植木ばさみ

植木ばさみは主に細い枝や葉を整える作業に適しています。細かな作業がしやすい形状のため、盆栽や形を重視する庭木の手入れに向いています。

例えば、松やモミジの新芽を摘む際や、細かい枝の整理に使うと仕上がりがきれいです。切れ味が落ちてきた場合は、専用の砥石で定期的に研ぐと作業効率が維持できます。

刃先が細く鋭いものを選ぶと、狙った部分を正確にカットできるでしょう。

手入れ後は乾いた布で水分を拭き取り、湿気の少ない場所に保管すると良いですよ。

刈り込みばさみ

刈り込みばさみは生け垣や広範囲の枝葉を一度に切り揃える作業に適しています。長い刃が特徴で、効率よく均一な高さや形に仕上げることができます。

例えば、ツゲやサザンカの生け垣を直線的に整える際に使うと作業時間を短縮できるでしょう。使用後は刃の汚れや樹液をきれいに拭き取り、刃先に油を塗って保管します。

重さやグリップの形状を確認し、自分の手に合ったものを選ぶと扱いやすくなります。刃の開閉がスムーズかどうかも事前にチェックすることが重要です。

高枝切りばさみ

高枝切りばさみは地上から届かない高い位置の枝を安全に切るために使います。脚立を使わずに作業できるため、転落事故のリスクを減らせます。

例えば、柿やカキノキなどの高木の枝を地面から切る場合に便利です。作業前には伸縮部分や刃の固定をしっかり確認し、無理な力をかけずに操作します。

高枝切りばさみは長さが調節できるタイプを選ぶと、さまざまな高さの枝に対応できます。

長時間の作業時は重さやバランスも考慮して選ぶことが重要ですね。

高枝切りノコギリ

高枝切りノコギリは高所の太い枝を安全に切断するために必要な道具です。長い柄が付いているため、脚立を使わずに地面から手の届かない枝を切れる点が大きな利点です。

例えば、柿やカキノキなどの高木で直径5cm程度の太い枝を落とす際に活躍します。使用時はノコギリの刃がしっかり固定されているか確認し、作業中は枝の落下方向や周囲の安全にも十分注意します。

柄の長さが調整できるタイプを選ぶと、さまざまな高さの枝に対応しやすいでしょう。作業後は刃をきれいに拭き、サビ防止のために油を塗って保管します。

電動ノコギリ

電動ノコギリは太い枝や硬い木を短時間で切断したい場合に最適です。手動ノコギリよりも切断スピードが速く、力の弱い人でも作業負担を大幅に軽減できます。

例えば、直径10cmを超える太い枝や、古くなった樹木の幹を切る際に便利です。電動ノコギリを使う場合は、作業前に充電やコードの状態を確認し、作業中は防護メガネや耳栓などの安全装備も必ず着用します。

切断時は枝が跳ねないようしっかり固定し、周囲に人がいないことを確認してから作業を始めます。使用後は刃を外して掃除し、バッテリーやコードも点検しておきましょう。

脚立

脚立は高い場所の枝を安全に剪定するために不可欠な道具です。地面が平らな場所に設置し、脚立の角度を調整することで安定性が高まります。

例えば、樹高3mの庭木の上部を剪定する場合や、手が届かない位置の枝を切る作業で役立ちます。作業中は必ず両足をしっかり踏みしめ、片手で脚立を支えることで転倒や落下のリスクを減らせるでしょう。

滑り止め付きの脚立を選ぶと安全性が高まり、長時間の作業でも疲れにくくなります。収納時は屋外の湿気を避けて保管し、定期的にネジや脚部の点検も行います。

庭木の剪定を行う

庭木の剪定は樹木の健康維持と美しい樹形を保つために欠かせない作業です。適切な剪定を行えば、枝葉が混み合うことを防ぎ、日当たりや風通しが良くなります。

例えば、混み合った枝を間引くことで、害虫や病気の発生リスクも減らせます。剪定作業では、切る枝の位置や角度に注意し、切り口が滑らかになるように丁寧に作業することが重要です。

剪定前には道具の切れ味や安全装備を確認し、作業後は切り口に癒合剤を塗って回復を早めます。

定期的な剪定を続ければ、毎年安定した成長と美しい庭を維持できますよ。

ゴミを処分する

剪定後に発生した枝や葉のゴミは適切に処分する必要があります。ゴミを放置すると害虫の発生や近隣トラブルの原因になるため、速やかに片付けます。

ゴミの量や種類によって以下の処分方法を選ぶことで、余計な手間や費用を抑えられるでしょう。

  • 自治体の回収で処分
  • 剪定業者に処分を依頼
  • 便利屋や不用品回収業者に依頼

詳しく解説します。

自治体の回収で処分

自治体の回収を利用して剪定ゴミを処分する方法は費用を抑えたい場合に有効です。多くの自治体では枝や葉を指定の袋や束にして、決められた回収日に出すルールが設けられています。

回収ルールを守ることで、近隣住民とのトラブルや追加費用の発生を防ぐことが可能です。

枝の太さや長さに制限がある場合が多いため、事前に自治体のホームページで詳細を確認しておくと安心です。分別や出し方を守ることで、スムーズに回収してもらえます。

剪定業者に処分を依頼

剪定業者に処分を依頼する方法は、量が多い場合や大型の枝が出た場合に便利です。業者は専用のトラックや機材を使い、短時間で大量のゴミを回収できます。

例えば、樹高5mの庭木を剪定した場合、処分費用は5,000円10,000円程度が相場です。自分で運搬や分別が難しい場合には、業者に依頼することで手間を省き、確実に処分できます。

依頼前に見積もりを取り、追加料金の有無や回収日時を確認しておくと安心です。剪定作業と同時に依頼すれば、全体の作業効率も向上します。

便利屋や不用品回収業者に依頼

便利屋や不用品回収業者を利用する方法は、自治体や剪定業者の回収日が合わない場合に役立ちます。依頼すれば自宅まで回収に来てくれるため、時間や手間を大幅に削減できます。

例えば、急な引越しや大量の剪定ゴミが出たときに即日対応してもらえる場合があるでしょう。費用は量や地域によって異なりますが、事前に見積もりを取ることで予算オーバーを防げます。

夜間や休日にも対応している業者が多いため、忙しい方や急ぎの場合にも便利です。

回収後は領収書を受け取り、トラブル防止のために内容を確認しておきましょう。

庭木の剪定の時期と頻度

庭木の剪定時期と頻度は樹種や地域によって適切なタイミングが異なります。落葉樹は休眠期の冬、常緑樹は春先、果樹は収穫後が基本の目安です。

例えば、サクラやモミジは1月〜2月、ツバキやサザンカは3月〜4月が適期です。適切な時期と頻度で剪定することで、樹木の生育が安定し、毎年美しい花や実を楽しめます。

剪定の頻度は一般的に年1回2回が推奨されますが、成長が早い樹種は年3回程度の軽い剪定を行うと樹形の維持が容易です。気候や庭木の状態を観察しながら、柔軟にスケジュールを調整することが大切です。

剪定すべき枝の見分け方

剪定が必要な枝を正確に見分けることは、樹木の健康維持と美観の両立に直結します。不要な枝や傷んだ枝を残すと、病害虫の温床となり、全体の成長が阻害されます。

不要な枝の一覧表

剪定すべき不要な枝を残すと、風通しが悪くなり、病害虫の発生リスクが高まります。不要な枝を一覧で把握しておくことで、作業効率が上がり、見落としを防げるでしょう。

不要な枝の種類特徴・見分け方剪定のポイント・方法
ひこばえ(ヤゴ)株元や根元から真っ直ぐに伸びる細い枝。養分や水分を吸い取る付け根から切り取る
下がり枝・下垂枝下向きに伸びている枝。樹形や流れを乱す付け根から切り取る
絡み枝・交差枝他の枝と絡み合ったり交差している枝。バランスを崩すどちらか一方を付け根から切る
ふところ枝幹の近くや内側に生えた弱い枝。日当たりや風通しを妨げる付け根から切り取る
胴吹き枝幹から直接生えてくる細い枝。風通しや日当たりを妨げる付け根から切り取る
混み枝数本の枝が重なって密集している部分の枝間引いて枝が重ならないようにする
内向き枝木の内側に向かって伸びている枝。風通しや日当たりを妨げる付け根から切り取る
立ち枝真上に勢いよく伸びる枝。養分を吸いすぎて木の成長を妨げる付け根から切り取る
枯れ枝枯れて水分がなくなった枝。樹皮の色が変わり、動かすと折れやすい枯れた部分だけ、または付け根から切り取る
車枝一か所から放射状に複数本出ている枝。バランスを崩す外側に向かう1~2本を残し他は付け根から切る
徒長枝勢いよく長く伸びた枝。花芽が付きにくい付け根から切るか、途中で間引く
平行枝同じ方向に並んで伸びている枝。枝同士が競合する片方を付け根から切り取る
逆さ枝本来の成長方向と逆に伸びている枝付け根から切り取る
かんぬき枝幹の同じ位置から左右対称に伸びている枝バランスを見てどちらかを切る

一覧表を参考に、不要な枝を見分けて適切に剪定すれば、樹木の健康と美しい樹形を維持できます。

見栄えが悪くなる枝

見栄えが悪くなる枝は、樹形を乱し、全体のバランスを損なう原因です。具体的には、外側に飛び出した枝や極端に長く伸びた枝、密集している部分の枝が該当します。

例えば、庭木の外観を整えるためには、隣り合う枝が絡み合っている箇所を重点的に剪定します。美しい樹形を保つためには、不要な枝を定期的に見直し、適切に除去することが重要です。

見栄えの悪い枝は早めに切り戻すことで、全体の印象が大きく改善します。

枝の配置や伸び方を観察しながら、自然な形を目指して調整しましょう。

成長に影響がある枝

成長に悪影響を及ぼす枝は、樹木の本来の生育力を低下させます。主幹や主要な枝と競合する枝や、下向きに伸びる枝、幹に密着した枝などが該当します。

例えば、主幹から斜め下に伸びた枝を残すと、栄養分が分散し、全体の成長が鈍るのです。健全な成長を促すためには、不要な枝を早めに剪定し、樹木のエネルギーを効率よく使わせることが必要です。

成長に影響する枝は定期的に観察し、気付いた時点で速やかに除去します。樹木全体のバランスを見ながら、成長を妨げる枝を重点的に管理します。

庭木の剪定のやり方を方法別で紹介

庭木の剪定は目的や樹木の状態に応じて最適な方法を選ぶことが重要です。剪定方法を正しく選択すれば、樹木の健康を守りながら美しい樹形を維持できます。

庭木の剪定の方法を以下にまとめました。

  • 透かし剪定:剪定の基本
  • 切り戻し剪定:大きさ調整
  • 刈り込み剪定:形を整える
  • 芯止め剪定:高さをおさえる
  • 枝おろし剪定:樹木を小さくする

詳しく解説します。

透かし剪定:剪定の基本

透かし剪定は枝を間引いて風通しと日当たりを良くする基本的な剪定方法です。枝が密集すると病害虫が発生しやすくなるため、不要な枝を選んで切り落とします。

例えば、内向きに伸びた枝や重なり合った枝を中心に間引くことで、健康な新芽の発育が促進されます。透かし剪定を定期的に行えば、庭木全体のバランスが整い、毎年安定した成長が期待できるでしょう。

透かし剪定は樹木の種類を問わず幅広く使えるため、初心者でも取り入れやすい方法です。作業後は切り口に癒合剤を塗ると回復が早まります。

切り戻し剪定:大きさ調整

切り戻し剪定は枝の先端を切り詰めて樹木の大きさを調整する方法です。樹形が大きくなりすぎた場合や、伸びすぎた枝をコンパクトにしたいときに有効です。

例えば、サクラやモミジの枝先を適度な位置で切り戻すことで、全体のバランスを整えられます。切り戻し剪定を行う際は、切り口が芽のすぐ上になるように意識し、切り過ぎないことが重要です。

切り戻し剪定は樹木の成長をコントロールしやすく、スペースの限られた庭にも適しています。

作業後は切り口をきれいに整え、病害虫予防も必要ですよ。

刈り込み剪定:形を整える

刈り込み剪定は生け垣や丸く仕立てたい庭木の形を整えるために行います。全体の輪郭に沿って枝葉を均一に切り揃えることで、見た目が美しくなるのです。

例えば、ツゲやサザンカの生け垣を直線や曲線に揃える場合に刈り込みばさみを使います。刈り込み剪定は成長期の前後に行うと、切り口の回復が早く、樹木への負担も軽減できます。

刈り込み剪定は庭全体の印象を左右するため、慎重にデザインを考えて作業しましょう。剪定後は落ちた枝葉をすぐに掃除し、清潔な状態を保ちます。

芯止め剪定:高さをおさえる

芯止め剪定は主幹や枝の先端を切り取って樹木の高さを抑える方法です。高くなりすぎた庭木の管理や、隣家への越境を防ぐ目的で活用されます。

例えば、シマトネリコやカシの主幹を芯止めすると、希望の高さで成長をコントロールできます。芯止めを行う際は、切り口に癒合剤を塗布し、病原菌の侵入を防ぐことも忘れずに行いましょう。

芯止め剪定は高所作業が多いため、脚立や安全装備をしっかり準備します。高さを揃えることで、庭全体の統一感も生まれます。

枝おろし剪定:樹木を小さくする

枝おろし剪定は太い枝や不要な大枝を根元から切り落とし、樹木全体を小さくまとめる方法です。樹形が大きくなりすぎて管理が難しい場合や、日陰を減らしたいときに適しています。

例えば、柿や梅などの果樹で古い大枝を枝おろしすることで、日当たりや風通しが改善します。枝おろし剪定は切り口が大きくなるため、作業後は必ず癒合剤を塗り、回復を促進することが重要です。

大枝を切る際は、下側に切り込みを入れてから上側を切ると、樹皮の裂けを防げます。作業時は安全に十分配慮し、周囲に人がいないことを確認します。

枝の剪定のやり方とコツ

枝の剪定は樹木の健康と美観を両立させるために必要な技術です。適切な切り方をマスターすることで、切り口の回復が早まり、病害虫の侵入リスクを減らせます。

枝の剪定をする際は、以下のやり方とコツを駆使しましょう。

  • 剪定ばさみで枝を切るやり方
  • 細い枝を剪定するやり方
  • 太い枝を剪定するやり方
  • 硬い木を剪定するやり方

詳しく解説します。

剪定ばさみで枝を切るやり方

剪定ばさみを使う際は、刃の根元部分で枝を挟むように切ることが基本です。斜めに切ると切り口の面積が広がり、病原菌が入りやすくなるため、垂直に切ることを意識します。

例えば、直径1cm程度の枝を切る場合、枝の付け根から5mmほど離れた位置を選びます。切り終えたら切り口を確認し、ささくれがあれば再度整えると回復が早いです。

切れ味が落ちている場合は事前に研いでおくと、作業効率と仕上がりが向上します。剪定ばさみは使用後に樹液や汚れをしっかり拭き取り、サビ防止のために油を塗って保管します。

細い枝を剪定するやり方

細い枝を剪定する際は、剪定ばさみを枝に対して直角に当てます。芽や新梢の発生点から3-5mm上を切ることで、新しい枝の成長方向をコントロールできます。

例えば、ツツジの細枝を整理する場合、混み合った部分の枝を根元から間引きましょう。切り口が潰れないように、切れ味の良い道具を使うことが重要です。

細い枝は一度にまとめて切らず、1本ずつ丁寧に確認しながら作業します。作業後は切り口をチェックし、必要に応じて癒合剤を塗布します。

太い枝を剪定するやり方

太い枝を切る場合は、ノコギリを使い三段階に分けて切断します。まず枝の下側に浅い切り込みを入れ、次に上側から切り落とし、最後に切り株を残さず整理します。

例えば、直径5cmの枝を切る場合、枝の付け根から30cm離れた位置で最初の切り込みを入れるのです。切断後は切り口をナイフで平滑に整え、癒合剤を塗布します。

太い枝は重みで裂けやすいため、切り落とす瞬間に注意し、周囲の安全も確認します。作業前にノコギリの刃の状態をチェックし、切れ味が悪い場合は交換しましょう。

硬い木を剪定するやり方

硬い木を剪定する際は、専用の高炭素鋼製ノコギリを使います。刃にワックスを塗布することで切断抵抗を減らし、スムーズに作業できます。

例えば、カシやクヌギなどの硬木を切る場合、刃の歯数を少なくしたノコギリが有効です。切断時は刃を前後に動かす角度を15度程度に保ち、無理な力をかけないように注意します。

硬い木は切断に時間がかかるため、こまめに休憩を取りながら作業します。

切り終えた後は、切り口を滑らかに整え、癒合剤を塗って保護しましょう。

枝を切り落とす5つのコツ

枝をきれいに切り落とすためには、以下の具体的なコツを意識することが重要です。正しい切り方を実践することで、切り口の回復が早くなり、樹木の健康を長期間維持できます。

  • 垂直に切る
  • 外向きの芽の上を切る
  • 太い枝は切り込み入れながら切る
  • 硬い枝は斜めに切る
  • 左右バランスよく剪定する

詳しく解説します。

垂直に切る

枝を切る際は、切り口が地面に対して垂直になるように意識しましょう。垂直に切ることで、切り口の面積が最小限になり、雨水がたまりにくくなります。

例えば、剪定ばさみを使って1cm程度の枝を切る場合、刃を枝に対して直角に当てて切ります。切り口が滑らかで小さいほど、樹木の回復が早まり、病原菌の侵入リスクも抑えられるのです。

垂直に切れば、見た目も整い剪定後の仕上がりが美しくなります。切る前に枝の太さや方向を確認し、無駄な力をかけずに切断します。

外向きの芽の上を切る

枝を切る位置は外向きの芽のすぐ上を選ぶことが大切です。外向きの芽の上で切ると、新しい枝が外側に向かって伸び、樹形が自然に広がります。

例えば、サクラやモミジの剪定時は、外側に付いた芽の2〜3mm上で切ると仕上がりがきれいです。内向きの芽の上で切ると枝が混み合い、風通しが悪くなるため、外向きの芽を基準にします。

芽の向きや位置をよく観察し、樹形全体のバランスを考えて切ることが重要ですよ。

太い枝は切り込み入れながら切る

太い枝を切る場合は、いきなり切り落とすのではなく、まず下側に切り込みを入れてから上側を切る方法が安全です。下側に切り込みを入れることで、枝の重みで樹皮が裂けるのを防げます。

例えば、直径5cmの枝を切る場合は枝の下側に2cmほどの切り込みを入れた後、上側から切り落とします。切断後は切り口を平滑に整え、癒合剤を塗布して回復を促しましょう。

太い枝は重みがあるため、切り落とす際は周囲の安全確認も徹底します。

硬い枝は斜めに切る

硬い枝を切るときは、斜めに刃を入れることで切断しやすくなります。また、刃が枝に食い込みやすく、無理な力をかけずに済むのです。

例えば、カシやクヌギのような硬木を剪定する場合、ノコギリを枝に対して30度の角度で当てて切ります。斜めに切った後は、切り口をナイフで整えて仕上げると美しくなります。

切断時は刃の動きを一定に保ち、枝の反対側からも切り込みを入れると効率的です。

左右バランスよく剪定する

剪定時は樹木全体のバランスを意識して左右均等に枝を切ることが大切です。バランスよく剪定することで、樹形が崩れず、風や雪の重みにも強くなります

例えば、片側だけ多く枝を切ると、成長が偏ったり倒木の危険が高まります。全体を見ながら少しずつ剪定し、最終的に左右対称に仕上げれば、見た目も安全性も向上するでしょう。

剪定後は離れて樹木全体を確認し、必要に応じて微調整を行います。

庭木の剪定でやり方を間違えると問題が起こる

剪定方法を誤ると樹木に深刻なダメージを与え、予期せぬトラブルを招きます。不適切な時期や切り方で剪定すると、以下のような問題が起こるでしょう。

  • 花が咲かない
  • 木が枯れる
  • 実がつかない
  • 木の形が乱れる
  • 枝や葉が近隣の家に落ちる

詳しく解説します。

花が咲かない

開花樹種で剪定時期を誤ると花芽を除去し、翌年の開花が完全にストップします。サクラやアジサイなどは前年に花芽を形成するため、開花直後の剪定が必須です。

例えば、4月にアジサイを剪定すると形成済みの花芽を切り落とすことになります。花芽の位置を確認しながら剪定し、剪定後はリン酸分の多い肥料を与えることで回復を促せます。

花が咲かない場合は、次回から剪定時期と方法を見直し、適切な管理を心がけると改善します。花芽の観察を習慣にすれば、開花不良を未然に防げるでしょう。

木が枯れる

剪定量が適正量を超えると光合成能力が低下し、枯死に至ります。主幹を途中で切断すると樹液が止まらず、腐朽菌が侵入しやすくなります。

例えば、マツ類を50%以上剪定すると葉面積不足で光合成ができなくなり、2年以内に枯れる確率が高まるのです。枯れ始めた場合は直ちに剪定を中止し、活力剤を投与して回復を待つ必要があります。

剪定後は切り口のケアを徹底し、日々の水やりや施肥も見直すことで樹勢の回復を目指します。

枯れの兆候を早期に発見するために、定期的に観察しましょう。

実がつかない

果樹の剪定で結果枝を誤って切除すると、収穫量が激減します。カキやウメなどは前年に伸びた新梢に実をつけるため、切り戻し剪定が禁忌です。

例えば、ミカンの木を強剪定すると、翌年から実が付かなくなる場合があります。結果母枝を1/3程度残す剪定法を採用し、剪定後はカリウム肥料を追加することで結実を促進できるでしょう。

実がつかない場合は、剪定方法や施肥、日当たりの見直しを行うと改善します。結実の習性を理解し、適切な枝を残すことが大切です。

木の形が乱れる

片側だけ剪定すると重心バランスが崩れ、暴風時に倒木する危険が増加します。主幹を無断で切断すると不定芽が無秩序に発生し、樹形が崩壊します。

例えば、シマトネリコの主幹を中途切断すると、複数の胴吹き枝が発生して見苦しい樹形になるのです。バランス調整には透かし剪定を基本とし、年3回程度の軽剪定を継続することが有効です。

形が乱れた場合は、数年かけて徐々に剪定で整え直すと自然な樹形を取り戻せます。剪定後は全体を観察し、必要に応じて微調整を加えます。

枝や葉が近隣の家に落ちる

越境枝の剪定を怠ると民法上の責任問題に発展する可能性があります。特定の樹種(クスノキなど)は年間1m以上伸びるため、年2回の剪定が法律上求められます。

例えば、隣家に枝が越境したまま放置すると、枝による損害賠償請求を受けるケースです。境界線から50cm以内の枝は予防的に切除し、近隣との事前協議を徹底します。

落ち葉や枝の飛散を防ぐため、剪定後は周囲の清掃も欠かさず行い、トラブルを未然に防ぎます。定期的なチェックと早めの対応が安心につながるでしょう。

庭木の剪定はプロに任せると早くキレイに仕上がる

庭木の剪定を専門業者に依頼すると、短時間で美しい仕上がりが得られます。プロは樹木ごとの成長特性や適切な剪定時期を熟知しており、無駄な枝を的確に見極めて作業できるのです。

例えば、樹高5mの庭木を自力で剪定する場合は半日以上かかることが多いですが、プロに依頼すれば2時間程度で完了します。

専門道具や高所作業の安全対策も万全なので、仕上がりの美しさと安全性の両方を重視する場合に最適ですよ。

庭木の剪定ならお助けマスターにお任せを

剪定は樹木ごとに適した時期や方法を守ることで、健康で美しい庭木を維持できます。正しい道具選びや切り方のコツを知ることが解決の第一歩です。

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sakai さん

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